定量的品質管理の現実的なアプローチ
IPAから、定量的品質管理を実践するためのガイドラインが公開されていました。
2010/04/28までは、パブリックコメント募集中のため、PDFがダウンロードできますが、冒頭に以下のような記述があります。
本書の内容には、現場での定量的管理が実践できるように、企業での実践ノウハウを体系化し、定量的管理の導入での阻害要因とその対策を示すとともに、特に難しいプロジェクト上流工程の定量的品質管理方法の考え方を整理ました。また、定量的管理や要件定義・設計工程での品質予測のアプローチや事例を補完することで現場でも実践ができように解説しています。
情報処理推進機構:ソフトウェアエンジニアリング
上記にある通り、具体例と共に実践ノウハウが詰まった内容になっています。
全体の構成としては、以下の二部に分かれています。
- 第一編 定量的品質管理に一歩を踏み出すためのアドバイス
- 第二編 上流工程で定量的品質管理を行うためのアプローチ
特に、第一編では、実際に定量的管理を行おうとした際にハマりがちな問題に対して、詳細に対策が説明されています。
以下のような構成になっており、頭デッカチな論理ではなく、「あぁ、これハマるよなぁ」と思うような事例が多く記載されているため、現場で非常に役に立つ情報でしょう。
- 定量データが上手く収集できない
- どんなデータ(指標)を集めればよいか分からない
- どのようにデータを収集すればよいか分からない
- 測定やデータ収集に手間がかかり進まない
- データから上手く問題点が見出せない
- どう分析したら問題が見えるかが分からない
- 分析しても問題が上手く見えてこない
- 基準値の決め方が分からない
- 効果のあるアクションに結びつかない
- 問題の原因をどう分析してよいか分からない
- 分析結果からどのように行動すればよいか分からない
- もっと早く問題を察知できるようになりたい
- 全般的な課題
- 品質管理を推進する立場からの課題
- お客さまの理解に関する課題
定量的管理は、表面的な理解だと、単に数値だけしか気にせず、本質的な分析が成されません。
その結果、バグが少ないことが、品質が良いのか/悪いのかも、判断できなくなります。
品質管理者だけでなく、PM/PLを担当する人も、一読する価値があると思います。
また、本ガイドラインは、「続」とついているように、「定量的品質予測のススメ」の続編となるものです。
定量的品質予測のススメ―ITシステム開発における品質予測の実践的アプローチ (SEC BOOKS)
- 作者: 情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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ページ数は少ないのですが、定量的分析のポイントがおさえられており、こちらも合わせて読んでおくと効果的だと思います。